30年の臨床で構築された『90%非外科的歯周療法で成果をあげるインスツルメンテーションテクニック』

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Q:中山先生が『非外科的歯周療法』として行っているSRPの特徴を教えてください

 成果を出すためには、精度の高いSRPが必要です。歯根の形態はどうなのか、探知は今のやり方で十分なのか、インスツルメントは適切にシャープニングされ、歯牙の形態や空隙に合ったものになっているのか。そういった点を一つひとつ見直す必要があります。歯根の形態をしっかり頭に入れ、インスツルメントが適切に合っているのか五感を最大限に活用しなければならないのです。
 まずは十分な探知を行ない、SRPをどのように進めるかをイメージします。そのうえで最もこだわっているのはインスツルメント。キュレットやスケーラーなどの器具をよく研磨し、長さや太さの違うものを数種類つくって使い分けるのです。歯根や歯石の形態に合った道具を使えば、効率よく確実に歯石を除去できますよね。テクニックを磨くことはもちろんですが、より患者さんの歯牙に負担なく施術できるように工夫することも大切です。
 例えば歯石が塊になって歯根にへばりついているとき。キュレットの刃先を引っかけて力を込めれば、数回のアプローチで除去することができます。しかしそのぶん、歯石と一緒にセメント質がはがれたり、キュレットを手前に引く余力で歯肉を傷つけてしまう可能性もある。そういう場合は、刃先を剃刀のように研いだキュレットを使い、力を入れないで軽くなでるようにして歯石を削ぎます。そうすると表層が少しずつ削れていき、歯根や歯肉にダメージを与えなくて済むのです。外科的な処置を必要としない歯周治療では、そういう微妙なテクニックやSRPが必要になります。

Q:施術以外で、意識すべきことは何かありますか

 患者さんを教育するという視点を持つことも、重要なポイントです。いくらSRPを完璧に行なっても、セルフケアが十分でなければ結果はついてきませんから。実際に、なかなか改善が見られない患者さんに改めて口腔衛生指導をすると、急に炎症が軽減されることがあります。
 そこで私が行なっているのは、 汚れが残っていない感覚 を患者さんに覚えてもらうことです。「ここにガリッとしたものがあるの、わかりますか?」「先ほど器具が引っかかっていた歯石がなくなっているのがわかりますか?」と、歯周ポケットを探知しながら根面がどういう状態になっているのかを患者さんと共有します。
 さらに、すべての清掃が終わったら最後にワックスなしのフロスを当てます。歯石が残っているときとは違う、澄みきった「キュッキュッ」という音がする感覚を患者さんに覚えてもらうのです。患者さん自身でその軽やかな音を再現できるようになれば、毎日のセルフケアだけでも歯石がたまりにくくなる。歯周病を再発させない状態を、維持していくことが可能になるわけです。

Q:先生の治療を受けた患者さんの反応は、いかがでしたか

 「先生に出会えてよかった」と感謝してくださるのはもちろん、人づてに噂を聞いて来院される患者さんが次々と増えていきました。当時はインターネットがほとんど普及しておらず、電話帳や新聞広告も一部でしか行われていない時代だったのに、どこで私の名前を知るのでしょうね(笑)。「メスを入れずに歯周病を治してくれるって本当?」と、遠方から来てくれるのです。必死の思いで頼って来てくれる姿に、「できるだけ痛い想いをしたくない」という患者さんがいかに多いかを実感させられました。
 歯周病専門医としての本音を言えば、カチャカチャっと切ってパパッと縫い合わせてしまったほうが労力も時間も短縮できます。でも、患者さんの要望にできる限り応えられてこそ、本当の歯科医療従事者。もちろん、誰もが初期治療だけで治るわけではありません。もう手遅れだと判断した場合はその旨を伝えなければならないし、患者さんのセルフケアによる協力も必要になってきます。そういった判断も含め、患者さんにとってベストな治療法を提案してあげられるのが、プロなのだと思います。

歯石が残さず取れている!その感覚が、いつもと全然違うんです

 中山先生から『非外科的歯周療法』を学んだとき、私自身も実際にSRPを施術していただきました。初めて感じるその気持ちよさには、ビックリしましたね。終わったあと縁下に入れるフロスが、キュッキュッと鳴るんです。ところがいざスタッフ同士で相互実習をしてみると、患者役の歯科衛生士からは「なんかスッキリしない」という感想が……。その言葉を聞いて、いかに自分がなんとなくSRPをやっていたのかを実感しました。
 初期治療を確実に行なえるかどうかは、とても重要なことです。ちょっとでも歯石が残っていれば、数年後に何かしらの症状が出てしまう可能性があります。そのことをわかっていながら、今まではポコッとしたのが取れればいいという感覚しかなかった。きちんと結果を出せるSRPが実践できていなかった事実を、目の当たりにした感じでした。
 今は、中山先生に教えていただいた技術をだいぶ習得できていると思います。キュレットで歯面をなぞると歯石が残さず取れているのがわかりますから。患者さんも、「すごくスッキリして気持ちいい」と言ってくれるようになりましたね。プロの歯科衛生士として患者さんに接するために、SRPを見直してよかった!今まで以上に自信が持てるので、歯科衛生士の仕事にますますやりがいを持てるようになりました。

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